「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は推理小説である。(感想・考察・謎解き)  (ネタバレあり)

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(村上春樹)の謎解き。事件の真相・犯人を推理し、特定します。

余談 その19 「爆笑問題」太田光、「多崎つくる」をブッタ斬る!?

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*激しくネタバレしています。ご注意願います。

 

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 ちょっと前になりますが、ラジオで「爆笑問題」の太田光村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を批判しています。書き起こしが以下にあります。

 

http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-2310.html

 

これを読んで思ったのは「何か2、3周回遅れの批判だなあ」と。それこそ、「ノルウェイの森」以来連綿として続いている批判から、何の代わり映えもしない批判ですね。前に村上春樹叩きもファッションでしたと言いましたが、古すぎて最早「オールド・ファッション」です。「中身がゼロ」と批判しているけど、本人の批判が一番中身ゼロってどうしようもないですね。芸人なんですから批判するにしても、何か芸がないといけないんじゃないかと思います。

 

「多崎つくる」をブッタ斬るなら以下のような感じはどうでしょうか?

 

(そういえば、大森望豊崎由美村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』メッタ斬り!」(河出書房新社)という書評もあるらしいですね。読んでないし、これから読む気はありませんが。)

 

(下記のO、TはO=太田、T=田中の略ではありません。O=織田、T=徳川の略です。(誰だよ?))

 

O「今売れているらしい、村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んだんですが」

T「はい…」

O「もう腹が据えかねるものがありますね」

T「読んじゃったんですね」

O「村上春樹は本当に分からない。言ってることは、とても難しいですからね。観念的で」
T「うん」
O「わかりにくいんです。だから、100万部越えするようなものじゃないと思うんですよ」

T「ファッションでしょ?ほとんどの人が。たとえば、『ダンス・ダンス・ダンス』とか『ノルウェイの森』の頃、俺らが大学生の頃って、最初はちょっとファッションっぽい感じがあったじゃないですか」
O「『ノルウェイの森』からですよ。物凄かったんですよ、売れ行きが。そこからはクソつまらなくなった」
T「それこそ村上春樹の作品は、カウントダウンして売るって状況じゃないですか」
O「あそこに並んでいる不細工な男たちは、何を考えているんだろうね」
T「不細工は関係ないですよ()…そこで待ちきれないって言って、カフェに行って読んでいるっていう、そのトータルファッションっていうのは村上春樹さんに大きいと思うんだよね」
O「まあ、こうやって村上春樹叩きしているのも1つのファッションなんですけどね」
T「おや、自分でファッションって言っちゃう」

O「そう。村上春樹が新作を出す。それが売れる。そして、文化人がつまらんと言って叩く。この一連の流れがトータルファッションなんですよ。よく言うでしょ。『家に帰るまでが遠足です』って」

T「遠足・・・(自分を文化人って言っちゃう?)」

O「いや、この小説の主人公、この長ったらしいタイトルにも書いてあるけど『多崎つくる』って言うんですが、こいつが全然モテなさそうなんですよ。村上春樹読んだらモテるかもとか思っている奴がいたらやめといた方がいいよ。登場人物の真似したら100%モテないから」

T「真似したことがあるんですか」

O「いや、あんな変なことばっかり言っている人間、現実にはいねえよ。

で、もともと主人公には高校時代4人の親友がいたのだけど、大学2年になっていきなり理由も言われずハブられるんですよ。『ぼっち』になっちゃう。

『ぼっち』なら『ぼっち』らしく孤独でいればまだ納得できるのだけど、それでモテなさそうなのに、なんか都合よくあっさりセフレができて童貞を卒業しちゃったり、現在も年上の彼女と、恵比寿のこじゃれたバーで優雅にカクテルなんか飲んでたりする。『ぼっち』じゃ全然ねえよって。

 もう、男の妄想全開ですよ。男の妄想全開なのは『ヤングジャンプ』か『ヤングマガジン』だけにしとけよって話ですよ」

T「村上春樹は『ヤングジャンプ』だと(笑)」

O「で、この主人公、受身で自分からは積極的に全然動かないんですよ。彼女に言われて言われたとおり動く。あれですかね。今はやりの『草食系男子』でも意識したんですかね。」

T「主人公は『草食系男子』ですか」

O「それでね。16年前4人の親友からハブられた理由を、主人公がかつての親友達に尋ねに行って、最後にはフィンランドまで行っちゃうのが、この話の流れなんだけど、なんでわざわざ16年前の理由を聞きにいくかって、それは彼女が理由を聞きにいかないとセックスしてくれないって言うからなんですよ」

T「単純ですね(笑)」

O「もう、お前『草食系男子』なのか、そうでないのかはっきりしろよって。

それでですね、いろいろ謎らしいものが出てくるんですけど、それが全然解決しないまま終わっちゃう。読んでもすっきりしない。モヤモヤするんですね」

T「まあ、村上春樹の小説ってそんな感じですよね」

O「いや、深読みすれば何か分かるのかもしれないんだけど、現代の読者はそんな暇じゃないですよ。1回読んでわけわからなかったら『つまんね』って投げておしまいですよ。19世紀の、読書ぐらいしか娯楽のなかった時代と違うんですよ」

T「皆さんいそがしいですからねー」

O「ところで、僕この小説の真相に気が付いちゃったんですよ。(ニヤリ)」

T「本当ですか?(おいおい、まさかラジオでネタバレするつもりか?一番やっちゃいけないことだぞ)」

O「もちろんいちばん大事な部分は言わない。それはここの中にしかない」(と自分のこめかみを指先でとんとんと叩く。)

T「ウザッ(てかラジオじゃ見えんわ!)」

 

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