「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は推理小説である。(感想・考察・謎解き)  (ネタバレあり)

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(村上春樹)の謎解き。事件の真相・犯人を推理し、特定します。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は推理小説である。 目次

本ブログは、村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」(文藝春秋)の感想・考察・謎解き・書評です。事件の真相・犯人を推理し、特定します。 *激しくネタバレしています。ご注意願います。 本エントリーは目次です。(初めてこのBlogを訪問さ…

更新履歴

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 本ブログ(「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は推理小説である。)の更新履歴です。 ☆☆更新履歴☆☆ ・平成26年5月2日 …

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 書評 ⑦~真実は追求されるべきか?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 以下の書評は、本ブログの本編と余談の推理を前提としています。初めてこのブログを読まれる方はできれば本…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 書評 ⑥~「悪霊がとりついた人間」を我々は赦すことができるのか?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 以下の書評は、本ブログの本編と余談の推理を前提としています。初めてこのブログを読まれる方はできれば本…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 書評 ⑤~「根源的な悪」

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。「ねじまき鳥クロニクル」「スプートニクの恋人」「海辺のカフカ」「アフターダーク」「1Q84」への言及があります。 (前のペー…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 書評 ④~「デタッチメント」と「コミットメント」

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページを見る。) 以下の書評は、本ブログの本編と余談の推理を前提としています。初めてこのブログを読まれる方はできれば…

余談 その22 ポール・オースター「幽霊たち」を読む(ネタバレあり)

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。ポール・オースター「幽霊たち」へのネタバレを含む言及があります。 (前のページに戻る) だいぶ前になりますが、毎日新聞(2013…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 書評 ③~「過去」か、「現在」か

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」「国境の南、太陽の西」への言及が…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 書評 ②~主人公の孤独

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。「ノルウェイの森」「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「羊を巡る冒険」「ダンス・ダンス・ダンス」「世界の終りとハードボイ…

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」 書評 ①~多崎つくるが「色彩を持たない」とは?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。「羊を巡る冒険」、「ダンス・ダンス・ダンス」、「ねじまき鳥クロニクル」への言及があります。 (前のページに戻る) 以下の書評…

余談 その21 ピアノ・ソナタの夢の意味は?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 多崎つくるがこの小説の終わり近くに見るピアノ・ソナタの夢の意味はなんでしょうか? これは、この小説その…

余談 その20 灰田の「自由にものを考えるというのは・・・」の話の意味は?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。(「ノルウェイの森」への言及があります。) (前のページに戻る) 66ページからの灰田の「自由にものを考えるというのは、つま…

余談 その19 「爆笑問題」太田光、「多崎つくる」をブッタ斬る!?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) ちょっと前になりますが、ラジオで「爆笑問題」の太田光が村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼…

余談 その18 沙羅の言葉(工程表、含み)、アカの言葉

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 沙羅が4人の名前を教えてほしいと頼んだ時、以下のように言っています。 「でもあなたがその気になりさえす…

余談 その17 なぜ、エリは「私のことをもうクロって呼ばないで。」と言ったのか?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) エリ(クロ)は多崎つくるが、本当は柚木(シロ)に惹かれていたにも関わらず、グループの調和を保つために…

余談 その16 嫉妬の夢の意味は?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 一般的には嫉妬の感情は悪いものとされますが、この小説における「嫉妬」の感情は必ずしも悪い感情とは限り…

余談 その15 なぜ、多崎つくる達の故郷は名古屋なのか?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 普通、作家が小説の舞台に「故郷」を設定する場合、自分の本当の故郷をモデルにすることが多いようです。村…

余談 その14 「ル・マル・デュ・ペイ」とは何か?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る)http://sonhakuhu23.hatenablog.com/entry/2013/05/18/085932 シロ(白根柚木)の比喩です。多崎つくるにとっ…

余談 その13 なぜ、多崎つくるは仲間から絶交されたときに、すぐに真相を明らかにしようとしなかったのか?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。(「ノルウェイの森」への言及があります。) (前のページに戻る)http://sonhakuhu23.hatenablog.com/entry/2013/05/17/071411 こ…

余談 その12 この小説の「現在」は、何日から始まるのか?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。(また、本編の推理を前提としていますので、このblogの本編をご覧になられていないとわかりにくいかもしれません。) (前のページ…

余談 その11 恵比寿のバーで別れた後の、2人の「それぞれの考え」とは?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 16年前にグループから絶交されたことを沙羅に打ち明け、恵比寿のバーを出た後、多崎つくるはあらためて沙羅…

余談 その10 面白いAmazonレビューがありました。

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) amazonに面白いレビューがありました。アマゾンで「最も参考になったカスタマーレビュー」、ドリーさんの「…

余談 その9 沙羅の「2人の友達」とは誰?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 先日、下記エントリーのコメント欄で、沙羅の「2人の友達」とは誰かについてのご意見がありました。 21.…

余談 その8 この小説の構造は?③~多義的な解釈と一義的な解釈

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。(村上春樹「ノルウェイの森」への言及があります。) (前のページに戻る) 村上春樹の小説においては、一部を除き「ファンタジー…

余談 その7 この小説の構造は?②~緑川の話、灰田、「オカルト」の扉

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) (前のページに戻る) *激しくネタバレしています。ご注意願います。(本文内に京極夏彦「鉄鼠の檻」の引用があります。あらすじの紹介ではなく、用語の解説としての引用です。)…

余談 その6 この小説の構造は?①~3つの関門

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) さて、このBlogでは、この小説は「推理小説」であると繰り返し述べているところですが、もちろんこの小説は…

余談 その5 村上春樹氏講演(5月6日)の真意は?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。 *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (前のページに戻る) 平成25年5月6日に京都大学で村上春樹氏の「公開インタビュー」が行われました。 各新聞に講演の概要が掲載さ…

余談 その4 「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」はいつの年の話?(平成25年5月9日追記あり)

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。 *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (平成25年5月9日追記しました。) (前のページに戻る) 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」はいつの年の話なのでしょ…

余談 その3 なぜ今回、村上春樹は「推理小説」を書いたのか?(妄想あり)

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) * 激しくネタバレしています。ご注意願います。(「ノルウェイの森」への若干の言及があります。) (前のページに戻る) 以下は妄想です。 なぜ今回、村上春樹は「推理小説」を…

余談 その2 多崎つくるが抱いた「微かな異物感」の正体は?

(目次に戻る)(初めてこのブログに来られた方はまず目次をご覧ください。) *激しくネタバレしています。ご注意願います。 (コメント欄に「羊をめぐる冒険」の ネタバレがあります。ご注意願います。) (前のページに戻る) このエントリーは、必ずこの…